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            『 期待外れに終わりそうな団塊市場だが・・ 』

           07年から始まる団塊世代の大量退職者出現を前に、退職者ニーズを目当て
          に産業界が動き出したのは03から05年にかけての時期。

           47年から49年までの3年間に生まれた約680万人の内、会社勤めをしてい
          る人が、07年から順次60歳定年退職を迎えるため、本格的な団塊需要が盛り
          上がるものと期待された。
           この世代の特徴は、60年代の高度成長期に子ども時代を送り、学園紛争、ビ
          ートルズなど、伝統的な文化に反発するサブカルチャーの洗礼を受けた第一世
          代だ。80年代には、マイホーム取得で住宅ブームを引き起こしたし、定年退職
          期を迎える現代も、新たなシニア文化の誕生に期待が寄せられていた。
         
           ちなみに、04年に生まれた新生児数は111万人だが、47年からの3年間は
          各年とも220万から230万人が生まれ、現代の2倍以上の新生児が生まれて
          いる。
           この団塊世代が定年退職することで、支払われる退職一時金の総額が50兆
          円に達する。人口が多いため、通常年と比較して30〜60%も金額が膨らむ計
          算だ。
           産業界ではこの退職一時金を商機とみて、シニア向けの商品やサービスの
          開発に乗り出したが、その後大きな話題になるほどの話しもないまま現在に至
          っている。

           話題としては精々、楽器店でビンテージもののギターの売れ行きがよい、簡単
          にギターやトランペットが吹ける簡単楽器が売り出された、大学の特別講座や通
          信教育に団塊の世代の参加が多いなど、小粒な話しばかり。
           こだわりのツアーを企画する旅行会社だけは、団塊向けの商品に手ごたえを
          感じているようだが、金融も不動産も団塊市場は思いのほか盛り上がらずにこ
          のままプロジェクトを解散する雰囲気だ。

           実は、団塊世代が退職しても、一昔前の欧米のハッピー・リタイアのように、ノ
          ンビリとしていられないのがわが国の退職者の実情だ。
           60歳で退職一時金を貰っても、年金支給が開始される65歳までの5年間は
          無収入が続くことになる。この5年間のための貯えが必要だ。
           また、わが国の財政事情や年金事情を考えると、65歳から確実に支給される
          のか、その不安も大きい。直ぐ前の世代までは、年金は60歳支給だったが、受
          給時期が近づいてから支給年齢を遅らされた経験があるからだ。
           そのため、各種調査でも、75%前後の人が「定年後もお金のために働く必要
          がある」としている。

           事前に考えられていた団塊市場の誕生と、現実は大きくかけ離れたものにな
          りそうだ。産業界が期待する大量生産大量消費型の商品が大きく売れることは
          期待できそうにない。
           逆に、小企業や個人事業向き需要が多くなる予感がある。個人的な趣味市
          場には多くの団塊世代が参加しそうだし、パソコン関連のソフト市場には、金払
          いのよいお客さんが増えそうだ。
           また、旅行関連市場や健康関連などは、団塊世代のお客さんで身動きのとれ
          ない賑わいを呈しそうだ。
           キーワードは、インターネットやこだわりの商品。団塊世代が団塊世代にサー
          ビスを提供したり、団塊世代を対象にした人材派遣など、実際に07年を過ぎる
          と多くのチャンスがはっきりしそうだ。          

 

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