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起業を目指す人のための「転ばぬ先の起業講座」
『追随型起業と自立型起業の違い 』
起業を考える人の動機を分類すると、大きく二つの型に分けられる。
一つ目は、マスコミや口コミを通して「最近、儲かっている商売」として認知さ
れ、広く喧伝されている商売での起業を考えるタイプ。
最近の例では、ネットショップや介護ビジネス、デイトレーダーなどがその代
表格とされる。他人の儲け話に釣られて始めるところから、追随型起業と云わ
れる。
二つ目は、会社勤めの人などが仕事などを通して、特定に分野に消費者の
不便が存在するとか、顧客ニーズを感じて起業を考えるタイプ。
身近にビジネスモデルがないだけに、起業に際しては苦労が多く、自立型起
業とされる。
何事にもプラス面とマイナス面があるように、これら起業タイプにもそれぞれに
一長一短がある。
追随型は、ビジネス自体が多くの人に知られていて、仕事の内容の説明に時
間をかける必要がないほどだが、その分競争が激しく、他人と違うことをするの
が大変難しい。
あらかじめ参入のためのノウハウが広く知られている、誰でもできるビジネス
なので、そこで頭一つ抜け出すのに苦労する。フランチャイズによる出店なども
この分類に入る。
自立型は、体験的に身につける「場面情報」を基に起業するので、事業の内
容を知ってもらうのに説明を要する。
しかも、内容を知ってもらって上で、相手に買ってもらったり、サービスを利用
してもらって料金をとろうと言うのだから苦労が多い。
だが、一度知ってもらったり、買ってもらうと、競争相手が少ないだけに、その
後の展開が有利だ。ベンチャービジネスは、この自立型の典型例である。
そこで例として挙げたいのが、学習塾業界だ。
この一、二年、学習塾は、子どもの学力低下に対する親の危機感や、少子化
の進行で一人の子どもにかける学費の増加によって、全体の生徒数を増やし
続けてきた。
特に、フランチャイズによる学習塾の数は多く、全教室の7割から8割が加盟
していると推定される。
一概にフランチャイズ=追随型とは云えないが、本部のブランド力と生徒集め
のノウハウを活用して、比較的簡単な起業法としてフランチャイズは定着してい
る。そのため、地方都市の住宅地では、フランチャイズの学習塾が乱立して、大
変な過当競争に陥っている。
逆に、業界で注目されているのが、自力で多くの生徒を集め、単に進学や補
習のためだけの学習ではなく、人を育てる視点からも生徒と接している学習塾
の存在。
そのほとんどが、以前はフランチャイズに加盟していた学習塾だが、運営ノウ
ハウを身につけた時点で、加盟を外れて自力での運営を展開している。
追随型から自立型への変換に成功した例だ。
起業を志す以上、最後は自分の起業の夢を実現したいものだ。フランチャイズ
はそのためのステップであって、要はその後でいかにジャンプするかにかかっ
ている。