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起業を目指す人のための「転ばぬ先の起業講座」
『 厳しさ増すコンビニ起業 』
わが国にコンビニが誕生して30年あまり、コンビニ店経営では当初主流だっ
た酒販店や雑貨店からコンビニへの転業がほぼ完了して、現在は脱サラ組に
よるコンビニ起業が大半を占めている。
フランチャイズチェーン(FC)による起業と云うと、最初にコンビニ起業の名が
上がるように、中年男性を中心に断然の知名度を誇っている。
そのコンビニ業界にこの一年、異変が起こっている。
第一に、コンビニ店の売れ行き不振が長期化している。特に、開店後一年を
経過した既存店の売上げは、05年11月で前年同期比4%も減少した。
前年実績の割り込みが1年4カ月も続いているため、せっかくコンビニ起業を
果たしたはずの脱サラ起業家が、継続して営業を行なえないコンビニ店が続
出している。
赤字に陥った加盟店に対して、本部は一方的にFC契約の更新を拒否するた
め、借金を抱えたままの廃業が増えているだ。最近ではどこの都市にも、廃業
したコンビニ店舗の廃墟と広い駐車場が点在する光景が当たり前になっている
が、この辺の事情を物語っている。
第二に、他の業種からのコンビニ参入が始まっている。基本的に定価販売を
柱とするコンビニ商法は、スーパーやドラックストアなど利幅の薄い他の業種か
らすると、美味しい市場ということになる。
ダイエーが、先月からスーパーとコンビニの中間に位置づける「コン・スパ」を
スタートしたり、ドラックストアがコンビニ化を加速しているように、市場の競争は
ますます激しくなりそうだ。
コンビニ側としても生鮮品店や健康志向店、女性向け専門店など新しい業態
のコンビニ店をスタートさせたり、セブンイレブンの清涼飲料の主力商品値下げ
や近所の高齢者向けに「御用聞き」サービスなど、新しい展開を試みてはいる。
ただ、これらテコ入れ策はコンビニ本部のための防衛策であって、コンビニ起
業家や既存店の経営者にとって何ら希望を持たせるものではない。
第三に、コンビニ起業のスタイルがすっかり様変わりしてしまった。
以前なら起業に際して、土地、店舗の確保のために数千万円の資金を用意して
から加盟店になったが、現在は本部が店舗を用意してくれて、加盟店は数百万
円の開業資金を用意するだけで出店できる。
その数は、全国4万2千店のコンビニ店のうち、約7割が脱サラなどにより店
舗を持たない経営者のようだ。
その代わり、月々に本部へ収めるロイヤルティーは、総売上げから商品の仕
入れ値を引いた粗利益の40〜50%も取られる仕組みになっている。
このロイヤルティーの割合は、起業家にとって相当厳しい数字だ。
コンビニでは最も売れ筋の弁当やおにぎりの賞味期限切れの廃棄問題や万引
き被害もあるだけに、コンビニ起業で事業を継続していくのは難しい。
現在、コンビニ本部は必死になって加盟店経営を行なう起業家集めに奔走し
いる。
年間売上高は7兆3165億円で、17年間連続で売上げを伸ばしているコンビ
ニ業界。セブンイレブンもローソンもファミリーマートも、05年8月期の中間決算
では、全社が過去最高の純利益をだしている。
一方、コンビニ既存店においては売上げ減少が続いており、本部の最高純利
益は加盟店の犠牲の上に成り立っていると云って過言ではない。
しかも、日本経済のデフレ脱出の後には、インフレ基調の経済が待ち構えて
いる。現在は、安いバイト料で雇っている店員も、物価の上昇と共にバイト料の
高騰は目に見えている。
販売競争は激しさを増す一方で、高いロイヤルティーを取られ、身動きのとれ
なくなりつつあるコンビニ起業に明日はあるのか?
この業界には、単にコンビニ本部の雇われ店長に成りつつある経営者に、「オ
ーナー」を名称をつけて呼ぶことを習慣にしている。
起業家なら、オーナーの名称よりも、コンビニ本部との安定した関係を構築す
るため、ロイヤルティーの低減や賞味期限品の売上げからの削除などによって、
事業を継続できる環境作りを望んでいるはずだ。
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