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起業を目指す人のための「転ばぬ先の起業講座」
『インフレ対応の起業へ転換のとき 』
景気の拡大が鮮明になるにしたがって、日銀が継続しているゼロ金利政策
に対して賛否の声がかしましくなってきた。安定成長が確認できるまで継続し
て欲しい政府に対し、預金生活者からは一刻も早い金利上昇の声が高い。
起業家としては、資金借り入れの金利は低くして欲しいが、ビジネスとしては
デフレからインフレに転換が進むときは、願ってもないチャンスが訪れるような
気がしてくる。
実際、この20年ほどの過去を振り返っても、急激な円高が進んだ1985年
から数年はバブル景気でチャンスがあったし、97、8年からは物価デフレが始
まって新しい業態のビジネスがどんどん生まれた。
経済環境が大きく変わるときは、既存の企業経営にとってその対応は大変
難しいが、起業家にとっては立ち上がるまたとないチャンスだ。
現在は、丁度デフレからインフレへの転換のときにあたっている。
大量の国債を発行している国さえ、既に物価連動型の国債を発行してインフレ
の到来に備えているし、大手製造メーカーの製造拠点の国内回帰も、インフレ
による供給不足を補うことを目的にしている。
そして、産業界においては、デフレ対応のビジネスがこれから次第に力を失
っていくと予測される。
デフレ対応ビジネスの代表例は、安売りを売り物にしたビジネスで、「100円
ショップ」や激安店など、インフレの時代に入って商品の確保が難しくなるビジ
ネスを云う。
また、都市部の地価の下落を利用して営業をはじめた、外食産業や駐車場
なども賃料の上昇に耐えきれなくなって姿を消しそうだ。
そこで考えなければいけないのが、インフレ対応の起業とはどんなことなの
か?
今現在、起業家が銀行、信金、国民生活金融公庫(国金)などから借りる時
の金利は、1〜3%台のなかに収まっているはずだが、インフレではこの金利
が欧米並みに4〜6%に上昇することになる。
日銀が緊急事態で設定した金利を正常に戻すために、今なら比較的簡単に
貸してくれる資金を、これからは企業同士が取り合いをすることになる。
そのため、この金融緩和の時期にしっかりした取引銀行を確保しておくことが
必要になってくる。
しかも、金利の上昇によって国の財政はますます悪化することが予想される
ので、国金など政府系金融機関が当てにしずらくなることを肝に銘じておくべ
きだろう。
また、資金不足に伴い、現在の商品の供給過剰は一転して供給不足に陥る
ことになる。売りたくても商品がなくなるのだ。例え商品があっても、価格が高
騰していて仕入れるのが難しくなる事態だ。
そこで、適正な商品在庫の保持やローンの活用がインフレ対応では欠かせ
なくなる。
これらは、デフレからインフレへの転換期に起こるであろう予測できる基本
的な事柄であるが、実際には個々のシーンで予測もつかないことが数多く起
こると思われる。
大切なことは、事態の変化をしっかり見ていて、いかに自分のビジネスに生
かすか、絶えず考え続けることである。
そのことが、現在のデフレ経済下で好景気を謳歌している既存の企業と入れ
替わりに、新たなチケットを手に入れる権利を得ることになる。
起業家にとっては、これからが千載一遇のチャンスだ。
このチャンスをものにできるかどうか、知恵と能力のみせどころでもある。