サイトの表紙    トピックス   起 業 の 基    独立開業
    起業相談   研究所理念 起業の目(ブログ)  お勧めの書籍

                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座


          


                      『 危ないフランチャイズがついに倒産 』

           調剤薬局のフランチャイズ・チェーン(FC)「薬のビンセント」を経営するラゴラ
          (東京・中央区)は7月1日、社長の亀井某氏が失踪したことにより事実上倒産
          した。
           同社は2003年12月の設立。日本経済新聞やフランチャイズ加盟希望者向
          け雑誌「アントレ」などで大々的なオーナー集めの宣伝を行っており、全国の約
          50人のオーナーが被害を訴えている。
           オーナー募集に向けては、薬剤師の資格がなくても誰でも薬局を開業がで
          き、一日の処方箋数100枚、スタップ3人で月の純利益約210万円とした収益
          シミュレーションの公表など、詐欺まがいの台詞を大手雑誌に堂々と載せ、一
          方では、調剤薬局の成長性や安定性を謳うことで、全国からFC加盟希望者を
          募っていた。

            亀井某氏については、最初にFCの本部経営に手を染めたのが、学習塾経
          営と云われている。
           ここでも、誰でもできる学習塾経営を謳い文句に、関西1円を中心にFCのT
          AG学習塾を展開。この塾がトラブル続きで、次いで宅配弁当のFC展開に転
          身した。
           学習塾、宅配弁当、調剤薬局とまったく業種に脈絡がないのは、彼のような
          人間にとって業種など何でもよく、要は時流に乗ったPRの謳い文句でオーナ
          ーを集められるか否かで業種を決めているようだ。
           FC経営の発祥の地、米国では、本部による売上げ予測や収益シミュレーシ
          ョンなど、後で加盟店との間に法廷闘争が発生した際には虚偽の証拠として取
          り上げられるし、加盟する側も、業界に詳しいFCコンサルタントや弁護士を事
          前に用意した上で加盟交渉に入るので、わが国のように詐欺まがいのFC本
          部が存在すること自体、難しくするための知恵が生かされている。

           今回、被害に遭ったオーナーは、本部への加盟料約300万円など総額150
          0万円近くの出資を義務付けられていたが、実際には建物の賃貸料や内装工
          事費など2000万円から4000万円をむしり取られていたようだ。
           当然、このような高額の資金負担ができる年齢層と言うと、40代から60代の
          男性が大半を占める。多く人は、退職後の起業として退職金を全額つぎ込んで
          いたり、企業経営者が老後のサイドビジネスとして投資気分で出資したり、安
          易に「誰でもできる起業」の言葉に乗せられていた。
           はっきりしていることだが、誰でも出来る起業などあり得ない。
          一方で、必死になって業界情報集め、お客さん集めのマーケティングを行い、
          宣伝方法を考えているのに、いくらFCとは云えあなた任せで高利益が見込め
          るほど、わが国に甘いビジネスはない。

           近年は、低い金利に付込む資金運用詐欺事件が多発しているため、今回の
          事件もその一種に見られがちだが、起業の立場からすると、FCゴロとも云うべ
          き連中が、起業への真剣な取り組みを食い物にしており、商法的なFC規制や
          刑法的な罰則の強化をして貰わないと、詐欺事件同様に手を変え品を変え何
          度でも犯罪を重ねることになる。
           また、このような事件がきっかけで中高年の起業意識にブレーキがかかるよ
          うなことになると、わが国経済にとっても痛手となる。
           一方で、現在大々的に宣伝しているFCの中には、加盟店の収益など無関係
          に、「薬のビンセント」同様に新規加盟店の募集だけに血眼になっているところ
          も多数ある。
           
           FCに加盟を考えている人にとっての落とし穴は、最終顧客がまったく存在し
          なくても、本部と新たに加盟する人との金の流れで、ビジネスが成立してしまう
          所にある。つまり、加盟店が最終顧客の役割を果たし、本部はどんどん加盟店
          を呼びこむことで成長を続けることが可能になる。月々のロイヤルティーを極端
          に低くして、本部から購入する雑費などが高いFCは要注意だ。
           拡大を続ける本部の一方で、加盟店は経営不振によって次々と廃業せざるを
          得なくなるFC独特のビジネスである。
           FCの加盟にあたっては、大々的な宣伝に惑わされない。信頼でき、業界に詳
          しい第三者に相談するの2点が鉄則である。また、投資額の3から5%は、最初
          から危険回避のために使う余裕が大切だ。   
                         
                         
              フランチャイズ加盟で開業を考えている方は、
                            このマニュアルを参考にしてみては       

                                                   戻    る

                              copyright(C) 2005 OSA起業研究所 ALL right reseved