「今度店舗を出そうと思うけど、この広さで20万円の家賃は高いと思いませんか」 初めて店舗を出そうと思う人は交渉が不安でしょうが、聞かれるわたしも不安でしょうがありません。
店舗を出す場所の相場が判らない上に、その店舗の周辺事情を知らないと、流行るかどうかヒントとなる材料がなさすぎます。それに、少し高いと思っていた店舗でも、集客が多ければ結果オーケーです。
逆に、値切って安い店舗を借りたのにその分お客さんも少なければ、安いことが仇になるケースもあります。初めて開業する人は、不動産屋ばかりでなく多くの交渉を行います。
その時に、一つ注意するポイントがあります。交渉相手が最初に提示する数字が大きな意味を持っていることです。経営の世界ではアンカリングと言い、船舶を停泊させるときに使うアンカーの役割をいいます。
店舗を借りる時ならば、不動産屋で最初に提示する坪単価1万5千円といった数字のことです。相手の力量を図りながら具体的な数字を言ってきますが、初めて起業する人には業者は吹っ掛けます。
周辺相場が2万円の所でも、いきなり3万とか4万という業者がいます。この最初の数字がアンカリングです。これは高いというと当然引き下げますが、アンカーの4万円はいつまでも頭に残りますから困ります。
もし相場の2万円まで引き下げると、大きく負けてもらったという負い目を感じることになります。相手業者の手の上で踊らされていることに変わりありません。不動産屋は、吹っ掛け効果で思い通りの仕事をしています。
アンカリングを避けるためには、事前に周辺相場をよく認識しておいて交渉に臨むのも一つの手。他にも手はありますから、よく考えて交渉に臨むとよいです。ビジネス交渉は奥が深いからよく考え作戦を練ってからです。
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