この10年ほどの間に、若者の消費行動は大きく変わりました。米国では、ミレニアル世代として若者研究が進んでいますが、わが国でも起業を考える人は顧客動向として考える必要があります。
わたしが調査するきっかけも、東京の近県でアパレルショップを5店展開している会社からの相談でした。創業者ご夫婦は一線を退いて、親族の女性が会社を続けるべきか、廃業するべきかの判断を任されました。
大震災後の12年と比較して、今年は今の時点で43%の売上げ減の状態です。平日の駅ビル内にあるアパレル店を覗くことがありますが、ほとんど来店客のいない状態ばかりを目にします。
若い女性のアパレル離れはそれほど深刻です。女性が着飾って外出するシーンが相対的に少なくなっています。ユニクロのような、ファーストファッションが幅を利かせていることもあります。
また、スニーカーの売れ行きが好調ということで、スポーティーな衣料の売れ行きにも押されています。昨今の若者の古着好きも、アパレルの売れ行きに影響を与えていると思われます。
相談のアパレル会社の場合、経営者夫婦が創業して20年以上。奥さんのファッションセンスによって顧客を集めてきましたが、体調を崩して今はスタッフの女性の仕入れ担当に代わっています。
事業が好調な時には、次の展開を見据えた戦略を考える必要がありますが、この会社は資金以外にソフト資産といえるものを、ほとんど残してこなかったことも響いています。
この先の展開を考えましても、女性の衣料に掛ける資金は年々減ることが予想されます。市場が縮小するなか、そこに立ち向かう新たな戦略がない会社は、行き詰るのは仕方のないこと。
これから起業する人、新規事業を考えている人は、市場の今後の動向に神経を使うことです。これまで盛隆を極めたスマホ市場でさえも、そろそろピークを越えているといわれる時代に我々は生きています。
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