紀元前500年頃に活躍した孫武が書いたとされる兵法書孫子には、「彼を知り 己を知れば 百戦して殆(あや)うからず」と説かれていて、ビジネスにおいても多くの人に知られるフレーズです。
「彼を知る」ためのマーケティングはとても発達していますが、「己を知る」ことに関してビジネスでは、ほとんど手がつけられていません。心理学の領域かも知れませんが、ビジネスでの心理学はもっぱら顧客心理です。
最近は米国において、起業家や経営者の内面の心理に関して研究が進んでいます。ただ、この心理を現す名称が統一されていないこともあって、本を読んでいても混乱があるほどです。
「センシング」は、モノゴトを理解する意味で使われています。この場合、起業家は単にビジネスに関することをダウンロードして頭の中に入れるだけ。関心のあるところだけを見て、本質はみていないことが多いと言われます。
「メンタルモデル」は、起業する前から頭の中に入っている前提といえるもので、何か意志決定を行なうときに取り出します。ただ、先入観や思い込みも頭の中には入っているので失敗にもつながります。
「マインドセット」は思考様式と訳され、起業においてはよく使われる用語です。個人の思考や行動のパターン、癖、好みなどの概念に近いもので、一度成功するとその概念から抜け出せない厄介な様式でもあります。
起業を成功させるためには、この自分特有の思考方法を認識していて、時には修正したり、すっかり変更させるような対応が必要です。あるときは、パートナーを必要とすることにもなります。
個人的資質によっては、起業することが難しい人もいるはずです。起業支援サービスがここに手をつけないのは、この領域は人が集まらないとか、個々人の心理に言及するとビジネスとして成立しないためと思います。
本気で起業に取り組むことを考える人は、できることなら自分のビジネスに関する先入観や思考の癖を考えてみるとよいです。起業失敗につながる大きな間違いを無くする働きは、「己を知る」ことによってできます。
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