「人のためならば頑張れるけれど、自分のことでは何故か直ぐに妥協してしまう」 起業に使命感を持ち込む話では、多くの人から同じような体験話を聞きました。
特に感動したのは、既に飲食店を開業して5年になる人から、最近はすっかり使命感を忘れていた話です。誰しも、毎日の売上げばかりに関心が向いて、開業したときの気持ちなど忘れがちです。
「今思い起こしても、5年前開業の時の頑張りを再びできるとは思いません。現在の店をつぶさないために、お客さんや家族、従業員への使命感を思い起こします」といった内容でした。
使命感は開業するときだけでなく、開業してからも何度となく、環境の変化に合わせたカタチで確認する作業は必要です。わたしのところに相談を寄せてくれる人の多くは、中高年の方でビジネス経験の豊富な人が中心です。
みなさん共通して言ってくれるのは、「すごく儲かる」、「絶対」、「金持ちになる」、「夢のような」といった、現実の企業経営では禁句とされる言葉を、ほとんど使わないところを気に入ってくれているようです。
わたしから中高年起業家の方々に言うのは、今後の日本経済を考えますと、老後の生活を安穏とはしていられないことです。10年、20年前でしたら、老後は悠々自適なんて生活も可能でした。
これからは生活のための物価が上昇しそうですし、年金の支給金額も年々減少が始まっています。決してリタイアした後の生活は、何かしらの収入手段がないと厳しい生活を強いられます。
結局は、お客さんのため、社会のためにも、自分のためにも、健康なうちは働き続けるしかないです。しかも、使命感という精神のアドレナリンが、毎日の仕事に活力を与えてくれます。
人生を最後まで元気に過ごすには、小企業経営は格好の舞台です。米国式の早々にリタイアして老後を楽しむのも一つの生き方ですが、生涯現役も立派な老後の生き方です。
そのため強い味方となるのは、各自それぞれの心に決めた使命感を大事にすること。自分のためなら直ぐに妥協することも、人のためなら気力を振り絞れるのが人間です。
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