わたしが注目している東大 柳井範之先生が、日経3月16日朝刊の経済教室面に、「失敗を恐れぬ起業支援を」とレポートを書いています。その前半部分で、最近の雇用環境を述べています。
米国社会は、労働市場が2極化していることが知られています。高い知識レベルの高給取りと、コンピュータではどうにもならないハードな労働の低所得層です。
以前の米国は、中間所得層に多くの市民がいましたが、この層がコンピュータにとって代わられています。最近は、人工知能の発達が著しく、高い知識レベルの仕事も次第に侵食されまじめました。
この傾向は、わが国の雇用においてもほぼ同じ流れになっています。過って建設労働といいますと、現場技術者や作業員と、高度技術の設計技術者とに分けることができました。
最近は、設計部門をコンピュータが代わりに行ない、現場で働く労働者の方は大幅に不足しています。このような傾向は、会社の管理部門、製造部門、営業部門へと人減らしが広がっています。
そこで柳井先生は、コンピュータに代替されないスキルを身につけることの重要性を説いています。しかも、コンピュータの将来の進歩予測は難しいので、変化に対応できる能力も身につけることが大事と言っています。
また、ビジネスではさまざまなチャレンジを行なって、そこからイノベーションを起こし、生産性を上げる起業を勧めています。コンピュータで代わられないビジネスでの起業は有効です。
起業をする場合は、資金作りばかり目が向きがちですが、人的ネットワークを構築して起業に生かすことも重要です。将来仕事がなくなることを怯えるよりも、仕事を自分が作ることの方が大事です。
起業では第三者に相談をすることも大事です
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