日本は長いこと、貧富の格差が少ない国と言われてきました。最近の国民はそんなことはないと思っているでしょうが、官僚は他国に比べて格差は少ないと言い張ります。
実際はどうなのか、格差を示すジニ係数も徐々に格差は広がっているようですが。そんな国民の格差を考える上で格好の資料となるのは、今人気の書籍「21世紀の資本」です。
フランスの経済学者 トマ・ピケティ先生が先進国の状況を調べ上げて一冊の本にまとめました。わたしには、728ページの容量も5940円の価格も重荷なので、直接は読んでいませんが。
この本の核心の概要は、先進資本主義国の長期データの分析によると、「企業の資本の収益率は、ずっと国の生産と所得の伸び率(経済成長率)を上回ってきた」というものです。
企業経営者や資本家・株主の収益と勤労者の収入の差は、時間が過ぎるにしたがって広がる一方。19世紀の欧州のように、世襲による財産形成が幅を利かせる社会ができつつあります。
ピケティ先生は、このままでは極端な不平等社会が再現される可能性もあると言っています。この傾向は、欧米だけでなく日本においても、約2割といわれる株主のアベノミクスの恩恵となって現れています。
この不平等を是正するためには、国際協力によって資産への累進課税が必要とも主張しています。経済論ですから、膨大なデータを分析して、資本の収益率と所得の伸び率とを比較して、格差の現実を証明します。
この格差をどう考えるか、どう自分の中で格差解消のために手を打つか、皆さんも迫られると思います。格差が広がることによって、この国はますます落込んでいきそうです。
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