フランス料理人の三国清三さんが、独立開業に関して面白いことを言っています。
「料理人の場合、修業して独立する人は多いが、修業期間が3年の人は3年、5年の人は5年しか店はもたない。下積み10年の人は長続きする」
ちなみに三国さん当人は、16歳のときから修業をはじめ、帝国ホテルや駐スイス大使館など、12年間修業をしています。その後、雇われシェフとして3年間働いた後に、「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフとして開業です。
料理人としての修業期間と、オーナーシェフとしても開業期間との間に、何らかの因果関係があるのかも知れません。長年、同じビジネスをウォッチし続けてきた人の言葉には重みがあります。
一方、料理人の世界では常識とされた、「調理技術が第一で、店舗経営は二の次」は昔の話。今は、「経営が第一で、技術は第二」が常識とされています。原価計算やコスト感覚を磨くことが求められます。
そんな料理の世界の流れも、まったく畑違いの坂本孝さんの「俺の株式会社」の登場で流れが変わってきています。原価計算よりも店舗戦略を優先した経営が注目されています。
料理人とは別の人種ともいえる、異色な飲食店経営者が経営する店舗です。料理人が経営するよりは、経営者が経営するほうが事業は成功しやすくなります。
しかも、一人で考えるよりは二人で、三人で考える方がよいアイデアやイノベーションが生まれます。
飲食店経営も、今は新しい段階に入ってきています。欧米では、飲食店経営はオーナーとシェフの分業制をとっている店舗が少なくないです。
結局は、店舗を継続させるための経営の希望と、料理を食べるお客さんの希望と、料理を作る料理人の希望を合わせ、バランスのとれた経営をすることが一番と気付いたようです。
起業のきっかけを掴むための
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