起業準備を進めている人から、「開業のタイミングはいつがいいと思いますか」といった相談を受けることが多くなりました。
現在は、日本経済が大きく変化していますから、失敗しない起業を考えますと誰もが悩む問題です。確率はとても低いですが、デフレに再び逆戻りすることもないまったくない話ではありません。
下手な先入観を持たないで考えるしかないです。ただ、はっきりしていることが一つあります。開業のタイミングを考えるとき、景気の好不況はまったく考える必要がないです。
多くの人は、景気の良いときに開業すると上手くいくと思い込んでいます。景気が良いときは、既存の会社にとってもビジネスが行いやすいですから、開業したばかりの会社が特別視されることはありません。
後日、力強く生き残っている会社は、多くが不況のときに開業した会社とも言われます。アップルが初めて世界に向けにiPhone を売り出したのは、07年6月のことです。
この年、サブプライム問題が世界に広がり、翌08年9月にはリーマンショックが起こりました。不況で経済が衰退していても、売れる商品は間違いなく売れます。好不況に関係なく、人間は食事を食べ、衣服を買い、娯楽を楽しみます。
そう考えますと、開業のタイミングと好不況は関係なく、問題はインフレの状態です。インフレになりますと、物価が上昇しますから資金需要が高まります。
これまで、1000円だった商品が1200円になり、他の商品にも波及しますと、市場に出回っている資金では不足するため金利が上昇します。金利が上がると、国の財政も国債費が膨らんで厳しくなります。
同様に、既存の会社も運転資金が膨らんで資金集めに苦労します。起業の場合も開業資金に苦労します。インフレでは、この問題に直面しますから、開業するタイミングが難しくなります。
起業準備をしている人の起業相談
|