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『 起業からみたNPO法人の将来 』
NPO(非営利組織)法人の設立が飛躍的に増えており、98年12月の施
行から6年間で認証された全国のNPO法人数は約19500に達している。
特にこの1年間では、申請を含めて約7000以上のNPOが誕生している。
企業の開業が廃業を下回って大きな問題になっている時に、何故NPO法
人の設立が増えているのだろう?
企業の設立目的が利益追求であるのに対して、NPO法人は社会への貢
献を目的にしている。果たして現在の日本人は、利益より社会貢献を第一
に考えるほど豊かなのだろうか?
その答えの一つは、NPO法人の設立に中心的役割を果たしているのが、
主婦や定年退職者、早期希望退職者など、目先の生活の糧作りに迫られ
ていない層の人たちであることが考えられる。また、会社勤めをしながら会
員として係わっている人も多い。
二つ目に、03年の改正NPO法によって、活動分野にビジネスの余地が
大きく膨らんだことが挙げられる。当初のNPO法では、「保健、医療または
福祉の増進」、「社会教育の推進」、「まちづくりの推進」、「子どもの健全育
成」など社会福祉関連を前面に出した活動分野がほとんどであった。
改正NPO法以降は「経済活動の活性化」や「職業能力の開発又は雇用
機会の拡充」、「情報化社会の発展」が新たに加わって、NPOに対するビ
ジネスの面からの見方も大きく変化した。
NPOは、立派にビジネスとして成立する。
非営利の17分野での活動、10人以上の会員、3人以上の理事と1人の監
査事、利益の配分制限、無給役員の存在など設立や運営にあたっての制
限は多いが、その見返りとしてのメリットも決して少なくない。
企業と違ってNPO法人はイメージが良い。また収益源が、企業や個人か
らの寄付、行政からの補助金・助成金、事業収入と多岐に渡っている。
また、余剰利益を出した際は、株式会社のように配当はできないが、内部
留保にしたり、投資活動が認められている。現在は、NPO法人が株式会社
を設立して社会貢献と事業活動をバランスよく進めている「株式会社まちづ
くり三鷹」や、YOSAKOI ソーラン祭り組織委員会が設立した株式会社「よ
さねっと」などの事例も出てきた。
現在は、NPO法人設立がブーム化して急激にその数を増やしているが、
他方で財政的に破綻したり、休眠状態に陥っているNPO法人も数多い。
設立することに意義をみいだしていた初期段階から、今はいかに法人を
存続させて社会貢献するかという次の段階にステップアップしている。主婦
が中心になっている法人では、マネジメントやマーケティングの不足してい
る法人も多く、起業を志す人間にとって絶好のトレーニング場なっている。
しかも、現在の仕事と兼業でのNPO活動に対して、誰も文句を言えない
環境ができている。最近は、企業自身がNPO活動を模索している。
整理すると、@ 企業の縦型組織とはまったく違った、これからのわが国で
求められているフラットな組織での活動が経験できる A
地域での人脈が
形成できる B NPO法人を拠点に事業活動に手を広げられる
わが国ではNPO活動の日が浅いために、現在は試行錯誤の状態が続い
ているが、先進の米英独では、NPOが経済活動や雇用の大きな力になっ
ている。税制での優遇や利益の配分を巡っても、先進各国と同じ道を歩ん
で、NPOが社会で大きな力になることは間違いない。
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