『 見逃せない中年男性市場 』

　　　　　　　　　　　最近、新聞の広告見出しに「知的ないい男」や「こだわりの一品」といった、中
　　　　　　　　　　年男性を対象とした雑誌の広告が目立つ。
　　　　　　　　　　　主婦と生活社の「ＬＥＯＮ」、光文社の「ＢＲＩＯ」、世界文化社の「ＭＥＮ’Ｓ Ｅ
　　　　　　　　　　Ｘ」、あいであ・らいふの「男の隠れ家」など中年男性向けファッション、ライフス
　　　　　　　　　　タイル雑誌の売れ行きが好調である。

　　　　　　　　　　　また、ジャスダックに上場している「夢みつけ隊」は、中年男性を対象に限定
　　　　　　　　　　商品や趣味性の高い雑貨を中心としたカタログ通信販売を長年にわたって行
　　　　　　　　　　っているが、ここにきて順調に売上を伸ばしている。
　　　　　　　　　　　東京・新宿の伊勢丹本店では、昨年９月にメンズ館を改装して以来前年比２
　　　　　　　　　　割以上の売り上げ増を更新しており、日本橋の高島屋東京店でも、売り場のて
　　　　　　　　　　こ入れを行った紳士服が高級品を中心に活況を呈している。
　　　　　　　　　　　このほか、大都市圏近郊のリゾート施設会員権は、１００万円クラスの物件を
　　　　　　　　　　中心に中高年世代に人気が高まっていたり、メンズエステが今年に入って盛況
　　　　　　　　　　が続いているなど、これまで世代として消費活動では蚊帳の外だった中年男性
　　　　　　　　　　の消費行動に注目が集まっている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　− スタート台についたばかりの市場 −　

　　　　　　　　　　　これまで、中年男性にとっての精神の拠りどころは会社だった。ところが、そ
　　　　　　　　　　の会社が今や熾烈な競争の場に姿を変えてしまい、新しい精神の拠りどころ
　　　　　　　　　　探しが始まったとも云える。
　　　　　　　　　　　４０、５０代のこの世代は、経済が安定したこの１、２年に若者を上回る消費マ
　　　　　　　　　　インドを見せている。特に、趣味にお金を使う人がこの世代では急増しており、
　　　　　　　　　　クルマ、模型、楽器・オーディオ、カメラ、食材、蕎麦など、その広がりは枚挙に
　　　　　　　　　　いとまがないほどである。

　　　　　　　　　　　中年になっても弱まらない物欲、知的好奇心、女性にもてたい願望が共通し
　　　　　　　　　　たアイデンティティーで、音楽、ゲーム、生活、旅行、ファッション、趣味、美容・
　　　　　　　　　　健康、エンターティメント、人生設計など、あらゆるシーンにこの世代特有の消
　　　　　　　　　　費行動が顔をだすと思われる。
　　　　　　　　　　　その特徴は、モノへのこだわりが強く、背景にある物語性に共感すると、値段
　　　　　　　　　　にこだわらず買い求める。
　　　　　　　　　　　また、その商品やサービスが一度気に入ると、浮気をせずに使用してくれるロ
　　　　　　　　　　イヤルティーも共通している。
　　　　　　　　　　　中年男性をターゲットとしたビジネスは、まだスタート台についたばかり。起業
　　　　　　　　　　を考える人にとっては、魅力的なビジネスターゲットである。

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