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『近未来通信で騙された人、騙されない人』

平成18年11月22日

 IP電話の近未来通信が、多額の投資資金を集めたまま、本社、支店を閉鎖してしまった報道が流れて以来、検索キーワードで「近未来通信」を調べると、近未来のPRページを除くと数少ない客観情報として、当サイトの記事「近未来通信に未来はあるのか」が検索されるため、起業を目指す一部の人だけに支持されてきた地味なこのサイトが、急に人気を呼んでいるようだ。


 日頃は1日の訪問者が300人〜400人なのに、21日はいきなり2572人に上昇してしまった。


 また、近未来が投資する人を集めるキャッチコピーに、「中継局オーナーとして起業、新規事業、副業しませんか」という文句をつかったために、当サイトの起業相談にきて投資を思いとどまった人たちからのお礼メールや電話が多数きて、経験をしたことのない遣り甲斐を感じる一日を過ごさせてもらった。


 近未来の関する起業相談を何件か受けて、このビジネスのインチキ性を感じたわたしは、17年10月25日に「近未来通信に未来はあるのか」の記事を書いた。実は今年の春まで、近未来の資金は順調に回っていて、少し不信感を感じる人はいたが、全体としては半信半疑の状態だった。


 何故なら、近未来は総務省から第二種通信事業者の免許をもらい、実際にIP通信サービスを行なっていたからである。そして、中継局オーナーとして1千万円以上の投資を行なった人に対しては、当初予想していた通りの配当を行なっていたからである。


 わたしは、「近未来通信に未来はあるのか」の最後で、「最近は、全国紙で全面広告を打つことがなくなった点も気がかりである」としたが、派手な広告でオーナーを募って資金集めを行ない、一方でそれを配当金として既存のオーナーに配る自転車操業は、広告を打つことを止めることで終わりを迎えることになる。


 近未来が9年前にベンチャービジネスとしたIP電話は、既にNTT東西を始め大手の通信会社が手掛けていて、加入者数は1千万台に近づこうとしていて、近未来は看板にIP電話を掲げながら、実際は6年くらい前から架空の通信への投資会社になっていたのである。


 ただ、カタチながらも実際に通信事業を行なっているから、誰も問題点を指摘できない間に、お金をもっている中高年を中心に狙われたわけである。これが、純粋な金融投資ならば簡単に足のつく話しであるが、通信事業であるために技術的な知識がないことで簡単に騙される結果となった。


 今年に入って、オーナー募集が厳しくなった説明会では、「近未来はNTTの関連会社である」とか、「現在、中国において大規模な通信事業を展開してる」など、ビジネスに無知な人たちに云いたい放題の嘘の情報を流してオーナー集めを行なっていたらしい。


 また、参加しようか心揺れる人には、多くの配当を得た既存のオーナーを演じるエリアエージェントが、個別に参加を薦める芸の細かいこともしていたようである。


 起業家にとってこれと似たようなケースは、フランチャイズへの加盟の際にもあるようだ。本業で行き詰った会社が、苦し紛れではじめるフランチャイズでは、近未来のオーナー集めと同じように、きわどい加盟店集めを行なうことがある。


 そして、後から違法だとかお金を返せと言ったところで、一度相手に渡ったお金は返らないと思ったほうがよい。


 自分で大金と思うお金を金融商品でも起業にでも投資する際は、まず信頼できる人に相談することだ。


 近未来に騙された3千人ものと、わたしのところにお礼のメールや電話をくれる人との違いは、お金を相手に渡す前に 一度相談 をするか、しないかの違いである。


関連トピックス
平成18年11月22日 「近未来通信で騙された人、騙されなかった人」
平成18年11月14日 「いよいよ追い詰められた近未来通信 」
平成18年8月30日 「近未来通信が追徴課税で絶命の窮地に」
平成18年4月18日 「起業から見た近未来通信のビジネスモデル」
平成17年10月25日 「近未来通信に未来はあるのか」


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