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『広がる一方の国民所得格差』
厚労省の「所得再配分調査」によると、わが国の世帯間所得格差は急速に
広がっていて、先進国では競争社会を代表する米国や英国並みに最も格差
の大きい国になりつつあるらしい。
大多数の国民意識は、戦後高度成長に付随した中流意識によって長いこと
貧富の差の少ない国と信じてきたが、現実は80年代後半の経済バブル、その
後のバブル崩壊と二度に渡る大波を経験して、急速な世帯間格差が生まれて
いるようだ。
世帯の所得や資産の格差を示す指標にジニ係数がある。1から0までの数値
によって所得配分の偏りを示す指標で、1に近いほど格差が大きい社会である
ことを示す。
このジニ係数が、1996年は0.4412、99年は0.472、02年には0.498
3と限りなく0.5に近づいている。0.5とは、国民の所得額を百分率でランク付
けして、上位25%の高額所得層が全国民所得の4分の3を占める不平等の拡
大を意味してる。
− デジタル・デバイドが日本でも顕在化 -
その原因として厚労省は、所得にカウントされない公的年金を収入の柱とす
る高齢世帯の増加をあげている。しかし勤労者の実感としては、能力主義や
成果物主義が大企業から中堅企業まで浸透し始めており、同時に横並びだっ
た同業企業間での競争が勝ち組、負け組のような形に識別されるようになっ
て、企業利益が勝ち組の有能な人たちに流れていく構図がはっきりしてきた。
この背景には、95年に米国商務省が指摘したIT技術を使いこなせるか否か
によって生じる経済的・社会的格差、デジタル・デバイドが日本においても広が
っており、個人レベルから企業レベルへと進行が拡大するとこを意味している。
これまで起業における顧客ターゲットは、ぼんやりとした形で中間所得層をイ
メージすることが多かった。しかし、数値的な裏づけのある富裕層の増加は、
高額品市場の拡大を意味してる。
このところ、バブル期の象徴であった億ションの言葉が復活したり、個人株主
の増加、外貨預金、百貨店での呉服、美術品、宝石の好調な売れ行きなど、
富裕層の消費拡大を窺わせる動きが活発である。
起業にあたっては、富裕層のニーズに応えるビジネスもその活躍の余地は
広がり始めている。