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『息を吹き返した学習塾での起業』
少子化の煽りで市場の縮小が続いていた教育産業が、元気を取り戻してい
る。04年3月期の株式公開・上場企業の決算発表では、学習塾・予備校21
社のすべてが、売上高で上昇ないし横ばいで、経常損益も1社が減益だった
だけで、ほかはすべて増益を記録した。
業種ごとの勝ち組、負け組の選別が進む産業界で、鉄鋼や海運など寡占化
が進んだ産業を除くと、業界すべての会社が売り上げの拡大基調を示すのは、
経済の停滞が著しい最近のわが国では珍しい現象である。
学習塾を巡る環境は、少子化や長引く不況による父母の収入の減少を反映
し、一部の有名教室を除いて過当競争による厳しい状態が続いていた。ところ
が、02年度から完全学校週5日制がスタート、文部科学省のゆとりある教育
の実現が父兄の不安を煽った。
同時に、国際教育機関の調査におけるわが国学童・学生の学力低下、小中
学校における公私間格差の拡大、企業の就職難などを追い風に過当競争に
生き残った良質の学習塾が多くの子供を集める結果となった。
- 求められる教育の変化への対応力 -
新たに開設する学習塾の中心は、企業から早期退職して起業を志す中年層
である。独立開業の展示会など各社が積極的にPRをしていることもあって、
当初資金がクリアできる層には関心が高い。
開設までのプロセスは、外食業界やコンビニと同じフランチャイズ制だが、IT
を積極的に導入したE-ラーニングの普及や管理システムによって、塾の経営
が非常に楽になっている点も関心を呼ぶ一因のようだ。
現在は、中年世代に学習塾育ちが増えてきてきており、早期退職を機に自
分なりの塾経営をしてみたいと考える人も多い。
少子化は、学習塾・予備校の市場規模を半減させると考えられていたが、
社会環境の風向きの変化によって、逆にその存在感を高めている。当然、こ
れからも環境の変化によっては、淘汰される局面が再び再現さ可能性は高い。
ただ、世の中の子を持つ親のニーズを知るセンサーと、ニーズに応えるシス
テムを備えているなら、これからの市場の変化にも十分に対応していくことが
できる。