2020年夏季オリンピック開催地は東京に決まりました。これから7年間、東京を中心にオリンピック開催準備のため、活発な経済活動が行われます。長期に渡る設備投資が行われますから、日本経済は上昇気流に乗ることになります。特に多くの国民が、ワクワク浮かれ気分になって消費も増えることが期待できます。
バブル経済の崩壊以降約20年に渡って、日本経済は下降線を描いてきました。その間、国民がワクワクするようなイベントはほとんどなく、反対に阪神淡路と東日本の2度に渡る大震災が大きな出来事でした。東京オリンピックは久々の全国民的なイベントと言えそうです。
ビジネスの観点から東京オリンピックを見ますと、建設と不動産に大きなビジネスをもたらします。ただ、東日本大震災の復旧工事が思い通りには進んでいません。その原因は、建設関連の人手不足と建設資材の価格上昇です。オリンピック関連の施設建設がこれに加わることになります。
2001年以降の公共事業削減では、多くの建設・土木会社が廃業しました。今後、多くの建設会社が復活することはないと思いますが、現場を離れた建設・土木技術者に再度登場願う動きは高まります。それに伴い、建設・土木とその関連ビジネスでの起業は増えるはずです。
全国的には、橋や公共施設など社会インフラのメンテナンスの必要性が高まっている時期でもあります。こんなに建設・土木の需要が高まって、果たして国内の技術者や労働者で対応できるのか、政治や経済の指導者は不安に駆られていると思います。
もう一つ問題があって、それは東京への一極集中の加速です。現在、首都圏、近畿圏、中部圏の3大都市圏に集中している人口は、日本の総人口の5割強になっています。今後は、オリンピックをきっかけに首都圏にますます集中する心配があります。人口集中は、国力の低下につながり、自然災害にはリスクが高まります。
大都市圏以外での起業においては、お客さん数の減少により経営が厳しくなりそうです。そのため、地方で起業する人は、インターネットへの依存がますます強くなります。起業環境としてはあまりよい環境とはいえません。全国的な好景気を味方に、都市圏のお客さんを地方に呼ぶアイデアが求められます。
過去のオリンピック開催地を考えますと、ロンドンで3度開催しているイギリス、3度目のパリ開催を狙うフランスなどは、国力が年々低下しています。ベルリン、ミュンヘンのドイツやロサンゼルス、セントルイス、アトランタのアメリカなどは、国力が今も大きくなっています。国の中核都市が何カ所もあると地政学的に安全でもあります。国の国力は別にしても、東京オリンピック開催は起業のチャンスです。
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