消費税増税を巡る、政府の集中点検会合が終わりました。来年4月5%から8%への増税を、73%の有識者が賛成する結果でした。巷間、安倍首相は増税に難色を示していると伝えられましたが、このような結果がでますと、今更増税に反対するわけにはいかないほどの賛成多数です。
そこで消費税増税が行われる場合、何が変わるのか、起業にどのような影響があるのか、考えてみました。既に、住宅市場では起こっていることですが、増税前の駆け込み需要が発生します。住宅ばかりでなく、自動車や貴金属、高額家電品、ブランド品など、多岐に渡って需要は増えます。
当然、来年4月1日以降は、大幅に需要が減少します。日用品や生活必需品などを除きますと、需要は2割、3割と減ってしまいます。来年3月までは好調な企業が多いですが、4月以降不調な企業が急速に増えます。体力のない企業の中には、市場から脱落する企業も少なくありません。
消費税増税ばかりでなく、今年3月で打ち止めになった金融円滑化法で救済され、その後も金融機関から支援を受けていた企業も、来年4月以降は支援がなくなると予想されます。一気に倒産や廃業する会社が増えると思って間違いないです。自分の勤める会社が危ないと思っている人は、早急に対応を迫られる可能性がありそうです。
今回の増税には、もう一つ変化の要素が加わります。それは、日本経済の念願だった脱デフレが進むことです。デフレ経済からインフレに切り替わりますと、企業の経営スタイルはまったく変わってきます。現在、安売りに依存している会社などは、大半が経営に行き詰ってきます。
ほとんどの安売り店は、従来の仕入れの仕組みが機能しなくなって、営業を継続することが難しくなるはずです。色んなビジネスの取引局面で、現在とは大きく変化することが考えられます。この変化に、頭の切り替えができない経営者の会社は、やはり市場から退出することになります。
既に、起業に向け走り出している人を別にしますと、増税後の需要減を計算に入れて起業を考えるべきです。起業する人と、廃業する人では、今後は廃業する人が多くなります。これは起業する人にとっては追い風です。ただ、起業のタイミングはこれまで以上に難しくなります。
ピンチはチャンスと言いますが、本来は変化の時はチャンスと思っています。モノの価値や、消費者の嗜好が変化する時、その変化についていける経営者はチャンスです。既存の経営者の場合、それまでの成功体験を捨てるには勇気が必要ですから、最初から変化した後からビジネスを展開する起業家の方が有利になります。起業する人への追い風は、そんな理由から生まれてきます。
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