このところ、「アベノミクスは起業に有利ですか?」とか、「このムードに乗って起業するのはどうですか?」といった質問メールをよく頂きます。中には、円安を危惧する書き方は信用できないといった内容もあります。以前からここでは、円高で大手企業の業績が悪化したときも、円高で高い利益を上げている会社の話を書いてきました。
単純に、円高が進行しますと、輸出企業にとっては収益悪化につながりますが、輸入企業は大きな利益を上げています。マスコミの取材対象は大半が大手企業ですから、日本経済の危機のように書いてきただけです。ただ為替の問題だけでなく、アベノミクスで日銀が大量の資金を市中に放出することで、起業にどのような影響があるのか悩むところです。
白川前総裁は、4年間で46兆円を銀行に流すことで金融緩和を実施してきました。黒田総裁は、今後2年間で135兆円の放出を計画しています。約3倍もの資金を放出するわけで、円の価値が下がることを予測して円安が進んでいます。市中に大量の資金が流れることは円安ばかりでなく、バブル経済を生む原因にもなります。
デフレ経済をインフレにするため、日銀はたいへんな博打を打っています。従来の金融政策では、デフレからの脱出が難しいですから、まず資金の放出計画を公表することによって、脱出の環境を作っています。問題は、この次に打つ成長戦略が、上手くいくかどうかにかかっています。本来は、この成長戦略を軌道に乗せられたら、大博打は必要なかったのです。
今後、アベノミクスで日本経済が上昇気流に乗りますと、デフレからインフレに切り替わるわけですから、起業にはたいへんな追い風になります。既存の会社がデフレ仕様の仕組みで運営されているのに対し、新たな起業は最初からインフレ仕様で突き進めます。起業コンサルタントとしては、デフレから抜けだせるものならアベノミクス大歓迎です。
皆さんもご承知のように、過去の自民党政権は、多額の資金を使って景気浮揚を試みては失敗の連続でした。一度二度なら仕方ありませんが、古くは小渕内閣から、小泉、安倍、福田、麻生と、ジャブジャブと使った資金の大半が、国の借金となって積みあがったままです。アベノミクスに少しは期待しても、本心は景気に左右されない強い起業を目指すことです。
日本人は、政府への要望といいますと、常に景気を良くして欲しい一点張りです。政府はといいますと、景気、景気といいながら、実際の資金は官僚が思いのままに使う悪循環を繰り返しています。1000兆円という国の借金はその結果です。政治家も官僚も、財政がどんなに悪化しても、自分たちの首を切れる人はいないので、ほとんど危機感をもっていないのが現実です。
景気に左右されない起業を目指す人の起業相談
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