「起業するなら、在庫を持たない初期投資の少ないビジネスを考えています」 「やはり高利益率のビジネスが起業の条件です」 「扱う商品は仕入れ値が安く、高く売れる商品を考えています」 起業を目指す人の中には、業種や業態に関して、このような起業条件を考えている人がけっこういます。
この場合、起業を成功させるための答えが判っていて、後はこれに当てはまる商品やサービスを探して、起業しようとする算段です。このようなスタイルで起業を考える人の多くは、「金持ち父さん 貧乏父さん」で有名な、ロバート・キヨカワさんの書籍に刺激され、起業することを考えた人たちです。
堀江貴文さんも、同じような内容で起業を勧めています。果たして、答えの判っているビジネスで、商品を探すだけで起業して成功すると思いますか? このような発想の根底にあるのは、売り手の都合だけによる発想で生まれたものです。商品を提供する供給の少ない時代ですと、このような発想も受け入れられたかも知れません。
現在は、供給する側に多くのライバルがいます。また、書籍で紹介されたような方法ですと、多くの人がその本を読んで刺激を受け、多くの人が同じような行動に走っています。極度に情報化が進んだ時代に、わたし達は生きています。ネットを通じて、同じ文章は数倍の多くの人に知られています。
その典型がネットショップです。多くの起業した売り手が、同じ発想で市場に参加しています。ヤフーや楽天は、多くのショップオーナーが利益を上げているように宣伝していますが、高利益率を上げているのは1割程度の大手ショップだけです。大半のショップは、出店料の高さに辟易しながら、惰性で出店している状態です。
従来は、確かに在庫なし、高利益率ビジネスが有利とされてきました。今は、アマゾンにしろ、スタートトゥデイにしろ、物流センターを備えて多くの在庫を抱えてビジネスしています。1990年代のビジネスモデルを、今の時代に生かそうとするのは相当無理があります。時計の針を反対に回して、販売しているとしか思えません。
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