起業する前に、起業した後の営業利益を考えることは難しいことです。まだ、売上げ予測さえ地についていないときですから、多分に希望的な数字になり勝ちです。それでも、(売上高
- 売上原価) -
販売費及び一般管理費から生まれる、営業利益を視野に入れた起業を考えることは大事です。
松下幸之助さんは、「営業利益は4、5%伸ばすのは大変なことだが、15、20%伸ばすことの方が楽だ」と言っています。売上高は、起業規模にあっただけしか売れません。しかし、売上原価や販売費及び一般管理費は、やり方によっては大きく減らすことができます。
売上原価は、仕入価格のことです。食材や材料費、賃金、人件費なども売上原価に入ります。販売費及び一般管理費は、販売経費、広告費、光熱費、家賃、減価償却費など、会社を維持するための諸々の費用です。これら全ての費用は、会社が事業を継続し続けるほど肥大化していきます。
松下幸之助さんが言いたいのは、既存の会社が組織をそのままの状態で、売上げだけを上げて営業利益を増やすことは至難の業。売上げはそのままでも、仕入価格を見直したり、販売経費、家賃などを大幅に削減することができるなら、比較的スムーズに営業利益を高めることができると言うことです。
起業をすると言うことは、この売上原価や販売費及び一般管理費を、大幅に見直したとき以上に、楽で状態でスタートできるタイミングです。ただ、起業する人には、ほとんどこの意識はありません。単に、初期投資を少なくすることで、経営を楽にすることしか考えていません。
ビジネスでは大事な、お金をかけない仕組みづくりには、無関心な人がほとんどです。人件費一つとっても、安い賃金でいかに優秀な人材を採用するか、ほとんどの会社は考えています。このような人材は、例え上手く採用できても長続きはしません。優秀な人材を雇い続けるための仕組みを考えることです。
そのためには、目先のことばかりでなく、3年後、5年後を考えた起業をすることです。起業のときは、新しい組織とビジネスを作る大きなチャンスです。このチャンスを、昔ながらの会社と同じような仕組みでは、生かすことができません。「起業前に営業利益を考える」、難しいようですがチャレンジしてみては。
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