移動販売によるビジネスは、03年に東京・大手町の東京サンケイビルメトロスクエアにイベント企画の「ネオ屋台村」が出現して、それまでの路上駐車違反と背中合わせの出店から、土地所有者と交渉のうえで堂々と出店するビジネスへと大きく方向転換を図りました。
「ネオ屋台村」は元来、音楽イベント会場でケータリングの飲食販売を手掛けていた鳥川清治さんが、都心部で開催されるイベント向けに移動販売をする目的でワークストア・トウキョウドゥを設立し、主にイベント主催者と交渉して出店予定地を確保して、移動販売の事業者に営業権を貸し出す方法で事業を拡大させています。
最近は、来場集客の多い都心の屋外イベントでは、「ネオ屋台村」がほとんど出店していて、移動販売業界における販売イノベーションとも云える存在になっています。
「ネオ屋台村」が人気を呼んでいるのは、お客さんが集まるイベント会場に、バラエティに富んだ移動販売車を数多く並べるその販売方法にあるのですが、もう一つ各移動販売車が売っている料理に秘訣があります。
ここでは、イベントに参加するお客さんの層に合わせて、アジアン料理から和風、中華と、最寄のレストランに劣らない味の料理を出しています。
東京でこれから移動販売を始めようとする人には、この「ネオ屋台村」への参加も出店方法の一つとして考えられると思います。
一方、地方都市で移動販売をするしようとする人は、この「ネオ屋台村」モデルとも云える屋外イベント参加型のビジネスモデルは参考になるはずです。特に、出店にあたって移動販売事業者同士の横の連携は、これからのビジネスにとって重要なキーポイントです。
イベントに引っ掛けて、「イ弁当」なんてネーミングの弁当は売れそうですw
最近の移動販売では、女性の事業者の進出がとても多くなっています。10年くらい前までは、移動販売は若い気合の入った男性のイメージが強かったのですが、今は圧倒的に女性です。
話を聞かせてもらうますと、多くの人が実店舗の出店を目標に移動販売で頑張っています。
また、飲食関係の企業や農業関係の団体などが、パイロットショップとして移動販売による出店を始めています。地方の都市では、どうしても競争が少ないため、料理の味も販売方法も固定化しやすいところから、移動販売で営業することによって販路開拓を狙っているようです。
07年4月からは全国の自治体で、昼食時間を45分制に切り替えるところが多くなって、周辺のコンビニ、弁当屋さんは大変な売れ行きです。移動販売についても、上手く当たっているところは大変な忙しさです。
ただ、県庁や市役所周辺の飲食店が大打撃で、署名運動を始めているところもあって、この活況の行方は読めません。ただ、移動販売で開業を目指す人は、絶えず周辺社会の変化に注目していて商売勘を磨いておく必要がありそうです。
今年の6月には、郷土のグルメ料理を競う「B-1グランプリ」が開かれました。そこで有名になったグルメ料理は、これからの移動販売にとって売れ筋料理になりそうな予感がします。
「八戸 せんべい汁」、「袋井 たまごふわふわ」、「行田 ゼリーフライ」など名称を聞いただけで、食べたくなる料理は移動販売には最適です。これから、現地に飛んで料理法を教えてもらって、移動販売で売り出す方法はまだアイデアだけですが、いけそうな気がします。
現在の移動販売の最大の悩みは、販売する場所の確保です。これは古くて新しい悩みで、「いくらでも売る場所のあるところはお客さんはいないし、お客さんが大勢いる場所は売る場所がない」のが現実です。
「ネオ屋台村」のように、移動販売車の数を集めることによって、食べもの集積を造って主催者と交渉する手もあります。
また、スーパーやコンビニなど店周辺の空きスペースを借りて、営業する方法をあります。これらは、移動販売をする人のアイデア勝負です。起業に向けてアイデアを絞ってしっかり稼ぎましょう。
移動販売で起業を目指す人はぜひ、 「移動販売マニュアル」を読んでみてください
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