起業は、一度で成功させるのが理想とされる。
最初の起業に失敗して、二度、三度と起業を経験すると、そのスキルは磨かれて、起業が楽に出来るように錯覚されがちだが、実際は起業回数と起業の成功とはトレードオフ(反比例)の関係にある。
事業で成功されている人に聞くと、ほとんどが起業経験は一度である。何度も起業を行い、同時に失敗を重ねている経験豊富な人は、結局は起業に向かない人である。
多分に、行う事業の新規性が起業を重ねるに従って薄れていって、最後は昔ながらの手法による事業しか思いつかなくなるところに、起業経験と成功とが相容れない原因があると思われる。起業の波に乗れなかったのだ。
一度の起業で成功させるためには、十分な準備期間を設けること。
関係する事業の会社に体験入社して、必要な技術を身に付け、業界の雰囲
気を知ることも大切である。
他方、マネジメントや簿記を学びながら、業界の古い体質と新規性を探るこ
とも重要である。
何れにしろ、準備期間中に自分の中に経営資産を増やしていって、起業の時にはゼロからの出発ではなく、2や3からのスタートとすること。
当然、この時期に起業後の資金的な裏づけも用意する。
そして、起業した後も、常に学ぶ姿勢でお客さんや仕入れ先の話を聞いて、
スキルアップを図ることが重要である。
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