起業を志す人なら、誰もが「自分の生き方は他人とは違う」と思っているはず。自分には、何かしらの能力や才能があると信じ、世の中のためにそれを活かしたいとか、金持ちになるためにそれを活かしたいとか、願望は人一倍強い。
それは思い上がりであり、人より強い思い上がりがなければ、起業はできない。
他人が「起業は大変なことで、早々誰でも出来ることではない」と云うから、それじゃ自分がやってみようということになる。
簡単に云うと、他人には出来ないことをしようとするのが起業である。
起業を言い出したとたん、家族、友人、同僚など多くの人の反対に遭っているはずで、他人の意見を意志強固にはねつけることによって起業をスタートさせている。
一方、起業をスタートさせてみると、柔軟な思考と他人の意見を素直に聞く広い心が欠かせない。
よく、起業をしたことによって人間が大きく変わったと云われるが、経営者にとっての大事なモノ、守るべきモノが起業前とは大きく変わるからである。
特に、お客さんの声や従業員の声、コンサルタントの声など、他人の話をよく聞かないことには、事業は上手くいかない。
起業前と起業後では、他人の話を聞こうとする姿勢が180度変わらないと、事業は上手くいかない。
ところが、いつまでも自説を曲げずに強引な経営をしようとする起業家がいて、そのほとんどが失敗する。
これが、「起業家のジレンマ」である。
もし、自分の起業を成功させたいと思うなら、自分流のやり方でこの切り替えを上手くやらなくてはならない。
起業前には簡単なことに思えるが、これが意外と難しいことなのだ。
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