起業にあたっては誰もが、自分の起業に絶対の自信をもって、他の同業がコケても自分の起業だけは上手くいくと信じ込んでいる。
自信をもつことは大切だが、同時に運悪く失敗するケースもあることを充分認識しておくべきだ。
そこで、起業にあたっては、スタート前に撤退の時期をあらかじめ決めて
おくことが肝要になってくる。
軌道に乗りかけていた事業を撤退するケースは、すでに固定した信用やお客さんが出来ているので、判断が非常に難しいところだが、起業の場合は無理に引っ張って痛手を深くするよりも、一度潔く撤退して次の起業チャンスを
探ることで成功した起業家は一杯いる。
一般的には、起業の撤退時期として、事前に準備した運転資金が一定割合を割り込んだ時を撤退と決めるケースが多い。
よくビジネステキストには、有名実業家のスタート時に撤退か継続かで悩んでいる時、資金援助をしてくれる救いの手があったとか、売れなかった商品が急に売れ出したとか、無理な継続を賛美する記事がよく出ているが、これらは例外中の例外と思った方がよい。
このようなケースの場合、その事業内容が他の同業者も腰を抜かすような画期的なモノであったり、新規性では他の追随を許さないような内容の起業であるケースが多い。
普通、起業は勝ちか負けかの一発勝負ではなく、起業家の起業的な生き
方なので、何度でも挑戦することが可能である。
また、起業の失敗は、本人にとっての大切な資産になるので、新しく起業をし直すことで二度目の挑戦で成功することはよくある。
それより、起業の際の無理がたたって、病気に罹ることで不本意な撤退もあるので、健康には十二分な注意が必要である。
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