街には小売店やサービス店が立ち並び、インターネットの世界にはネットショップと店舗の数は多い。この商品・サービスが溢れる時代には、売る側のこだわりや論理をいくら振りかざしてもモノは売れない。
「この商品を仕入れるために、どんなに苦労したか。買わなきゃ、損だよ」と云ったところで、それは売り手の事情。似たような類似商品も、違う機能で同じ効果が得られる代替品も、市場にはいくらでも出回っている。
買う方の立場になると、@最も安いから買う A最も目立つから買うB自分に合っているから買うの3つしかない。
@ と Aは大量に仕入れたり、大掛かりな宣伝広告を行う大手企業の販売方法。転ばぬ先の起業講座が対象とする小資本での起業では、おのずと自分に合っているから買ってくれるお客さん向けの販売戦略を考えないと、起業を軌道に乗せることはできない。
自分に合っているから買うお客さんとは、他にはない独自の商品・サービスを求めている。たとえ価格が高額であっても、自分の生活スタイルに合っていたり、自分の趣味で探し求めている商品なら、喜んで買ってくれるお客さんである。そのため、売る側としては、どれだけお客さんの側に立った商売ができるかにかかっている。
重要なのは、値ごろ感のある価格設定とストーリー性のある販売手法。
これは日本人の購買特性と云われ、価格は高過ぎず安過ぎず、「義経が追っ手から逃れるとき、食べたと言われる漬物」とか、「一葉が生きていたら、肩こりから逃れるとこができるエステ」とか、馬鹿げていても、納得させるストーリー性があると何故か遊び心で売れるものである。
お客さんに気持ちよく買っていただくため、先回りした心使いで売る精神を養うことだ。
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