「さあ、いよいよ開業!!」
日柄のよい大安の日を選んでの開業だ。
事前にたっぷり時間をかけてマーケティングを行って、開業予告にも費用をかけて準備は万端。
開業初日は、知り合いの多くが顔を出してくれて、盛況のうちに終えることができた。二日目、三日目・・・。一月が過ぎ、二月が過ぎると、次第に客足が少なくなって経営者も不安になってくる。
ただ、開業当初の盛況だったイメージが頭にあるだけに、再び盛況が戻るものと期待して待ち続ける経営者は多い。
事前のマーケティングも大切だが、開業してから待ち受ける問題の、一つ一つを解決する経営スキルの向上は、より大切である。
「お客さまを増やすには、どんな方法があるのか?」、「一度来店したお客さまに何度も来てもらうには、何が不足しているのか?」、「来店してるお客さまに、より多く買い物をしてもらうには?」などなど、実際のお店を開業しても、ネットショップを開業しても、起業と悩みはコインの表と裏のような関係にある。
昔から起業の世界では、開業1年目は赤字、2年目でトントン、3年で黒字化が常識とされてきた。
最近は、TT化が進んでビジネスの速度が速くなったことと、商品やビジネスモデルの寿命が短くなっているために、半年は赤字、1年でトントン、2年目から黒字が通り相場になっている。
開業してお客さまの来店が少ないなら、そこで状況に合わせた次の手を、それでもダメなら新たな次の手と、次々と最善の策を繰り出せる経営スキルこそが、起業に成功するか失敗するかの別れ道になる。
日頃から、経営環境の変化にどう対応するか思考する習慣をつけると同時に、気楽に対応を相談できる相談相手がいることも大切である。
一見、難しい問題の対応ばかりで起業は大変なように思われるが、これも日頃からの訓練次第では、難しい問題ならいくら難しくても対応できる、高いレベルの経営スキルを有する経営者も多くいる。
起業前ばかりでなく、一人前の経営者になってからも、努力次第で人間は進化を続けることが可能だ。
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