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『多すぎても、少なくても困る開業資金』助走期

起業に際して、立ちはだかる大きな壁の一つに資金問題がある。


優れたビジネスアイデアを持ちながら資金繰りが壁になったり、資金不足のためにスタートからつまずいたり、起業にとっての資金を巡る悲しい話は掃いて捨てるほどある。


資金問題の基本としてきっちり抑えておかなければならないのは、投資額は事業規模に比例しており、その利益を規定いるというとこ。


年間の売上げ1億円を計画している事業と1000万円の事業では、自ずと設備や人件費にかかる費用は違っているし、当然見返りの利益の額も投資額に比例している。


また、起業家の技術や能力によっても必要資金額は大きく変化するので、事前にしっかりした資金計画を立て、予算よりも大きくならない資金管理をすることが大切である。


固定費に関しては、起業当初から低く低く抑える努力が必要である。家庭の生活費と同じで、厳しく抑えないと際限なく出て行くのが固定費。


業務のIT化を積極的に進めるとともに、雇い入れる人員は最小限にすることで、固定費の負担を低くする。


資金問題で意外と忘れられているのが、資金を時間で置き換えることが可能な点。起業を始めようとしたからといって、何も律儀に勤めを辞める必要はなく、勤めたままでも起業準備はいくらでもできる。


特に会社の設立準備や簿記の練習、見込み顧客のリスト作りなど週末を利用してできる準備は多い。このような準備作業によって、当初資金を大幅に減らすことが可能である。


また、初期投資の金額を出来る低く見積もることも重要だ。起業当初、余裕資金が多いと、どうしてもビジネスに対する緊張感に欠けてしまう。少なすぎると困るし、多すぎても起業家をダメにするのが開業資金だ。


最後に、起業経験のある人なら誰でも実感することであるが、資金問題で否応なく大きなウエートを占めるのが、自分の生活費のことである。


当初計画では、一定期間が過ぎると利益が入って、自分にも収入が入るように計画しているが、大半は仕入資金や経費が計画を上回って、生活費と事業費金がごちゃごちゃになるケースが多い。


事業の継続のためにも、初期投資資金と自分の生活費は、別に別に確保することで、事業への影響を少なくさせることが重要である。


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