最近は、起業モノのインターネット掲示板にビジネスパートナーや共同経営者を募る書き込みが多い。
また、起業のためのノウハウ書の中にも、ビジネスパートナーとの共同経営による起業を薦める本もよく見かける。
確かに、何もないところから事業を起こそうとする起業には、心細さや不安が付いて回る。起業の立ち上げに行き詰まると「3人寄れば文殊の知恵」で、人が集まれば優れたアイデアも生まれそうな気もする。
また現在のビジネスは、本来業務の知識やマネジメントのほかに、インターネットを利用するケースも多いところからPCやネットの知識など、起業に関連する知識も多岐にわたる。
しかし、経営者が二人、三人と増えることによって経営責任がぼけてしまい、誰も責任を取らない無責任体制が生じてしまうことも確か。
全国には約250万の会社があるが、社長が二人の会社はほとんどないように、対等の企業合併と云いながらも50%同士の合併はないように、企業世界では誰か一人が主導権と経営責任とを取る仕組みになっている。
安易なビジネスパートナー探しは止めにして、自分一人での起業が不可能なら速やかに撤退して、再度の挑戦や新たな仕事探しをすることをお勧めしたい。
特殊な技術分野での起業や、資格制度を活用しての起業においては、例外的にビジネスパートナーとの起業で成功例はあるが、それを除くと共同経営の起業のほとんどは失敗に終わっている。
事業の立ち上げまでは、ビジネスパートナーと二人で協力すると近道を進むことができるが、事業が軌道に乗ってからは、会社勤めをしていたころと同じような人間関係に悩み、喧嘩別れ、廃業の道をたどる人が多い。
「美味しいところは自分が採って、苦しいところは相手に任せたい」、そんな甘い考えを、パートナーも同じように考えていると思ったほうがいい。
しかも最近は、ビジネスパートナーを装った詐欺や脅迫まがいの手法も噂されており、安易な安心に浸ろうとしないで、自分の能力を出し切る方策に全力を挙げるべきだ。
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