最近は、中高年の起業が増えているが、この世代の人の起業にとって何でも話せる相談相手は欠かせない。
起業は、ともすれば独りよがりになりがちな作業の連続で、顧客ニーズなどを無視した事業展開に走って廃業に追い込まれるケースも少なくない。
特に中高年の場合は、その昔に会社での仕事で成功事例をいくつか勲章として首からぶら下げている人が多いだけに、時代遅れになっているビジネススタイルを振りかざして、廃業まっしぐらの人たちも目立つ。
起業に失敗しないためにも、あまり自分を追い詰めないためにも、起業とは一歩離れた利害関係を伴わない相談相手が、一人か二人いることはとても重要なことである。
一方、世代とは別にビジネスの世界での人付き合いに関して云うと、従来のストロング・タイズからウィーク・タイズ重視へ流れが変わってきている。
ストロング・タイズとは、一を云うと十が分かる、顔を見ただけで何を考えているか分かる強いつながりの人間関係のこと。
これまでは、一生を左右する起業に際して、この強い人間関係が強力な援護になると考えられてきた。
しかし最近は、仕事以外では付き合いがなく、時々仕事の意見交換をするような弱い人間関係のなかに、起業には重要な情報や助言を得ることが多いことが確認されている。
似たような趣味をもち、いつも会って酒を飲んでいる付き合いからは、信頼関係は厚いが同じ視点でしかモノゴトを見ないので、新しい発想が生まれにくいことも確か。
起業に失敗した人は決まって、自分のことは棚に上げて、その原因として他人の名を挙げる。起業に際しての人付き合いを間違えたのある。
特効薬にも毒にもなるのが、起業の人付き合いである。
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