自分が進めたい起業の職種が見えてきたら、取り組まなければいけないのが、仕事の抽出(ひきだし)づくりである。
抽出とは、職種に関連した知識や技術のことで、大は業界の存続に係わる大問題から小は仕事にかかわる細々としたことまで、いつでも出し入れの出来る起業版の「なんでもポケット」づくりである。
住宅購入者を対象としたコンサルティングを例に取ると、住宅の購入動向、住宅取得税制の流れ、住宅メーカーの動向、間取りの流行り、材料動向など、住宅建築にかかわるあらゆる事柄に精通する知恵の幅が求められる。
また、お客さんとのやり取りにインターネットを利用する場合ならば、Eメー
ルやネット技術も求められる。
そのためには、業界の雑誌や新聞、専門書などを常に読んでいる必要がある。また、専門家の集まりに参加したり、インターネットで業界情報を収集したり、あらゆる手段を駆使して業界の現在を知っていなければならない。
抽出とは、そのようにして収集した情報をノートに整理して、いつも見れるようにすることである。このようなノートを用意しておくと、起業に際して起こる問題に早く、しかも比較的楽に対応できる。
既に、起業する職種に関係した仕事に従事している人も、気分を新たに頭の中の知恵や知識をノートに整理することによって、新しい発見をしたり、技術のレベルアップを行なうことができる。
一つの職種に5年間取り組んだら、その世界では一人前、10年間なら立派な専門家である。起業による仕事のやり直しも十分可能なので、今からでも抽出づくりに励むことが大切だ。
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