宝くじで当たった1億円と、起業の収益で得た1億円。
どちらも額面は1億円だが、宝くじの場合は一時的に当選者に留まった1億円で、後は目減りしていくだけ。一方、起業で得た1億円は、再投資されると2億円にも10億円にも膨らむ可能性を秘めている。
同じお金でも、行き場のないお金と生きたお金では、まるで性格を異にしている。
起業で扱うのは、もちろん生きたお金だ。
起業に際しては、誰もがお金を儲けることを念願してスタートする。この場合、
大半の起業家は深く考えてはいないだろうが、遊べる金とか家を建てる金といった、行き場のないお金のケースが多い。
しかし、実際に起業して資金が商品やサービスにカタチを変え、生きたお金として循環を始めると、遊びに使う余地はまるでなくなる。
個人事業の場合、起業当初に陥りやすいのが、売上げなどの粗利益と最終利益とをごちゃごちゃにして、資金をショートさせるケースが多いことだ。
また、収益が少ない時は必死に仕事に取り組んでいたのに、利益が出始めたとたんに気の緩みからか仕事におろそかになって、事業に失敗するケースも目立つ。
起業当初、利益が安定して軌道に乗るまでの3カ月、半年、1年といった時期は、資金力が勝負になる。当然、当初資金が多ければ起業成功の確率も高くなる。
そのためにも、日頃から無駄使いは止めて、お金に対してシビアな感覚を身につける必要がある。
お金は火と似ていて、上手に使うと生活に欠くことができないが、使い方を間違えると火事の原因となるは、昔から商売をしている人がよく言う格言だ。
お金とは常に一定の距離を置いて、自分の中に資金管理の規律を早い時期から身につけることが重要なことは云うまでもない。また、奥さんや会社の主要メンバーにも、この感覚を共有することが大切だ。
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