起業に際して、自分のもてる能力をフルに活用しないことには、人に商品やサービスを買ってもらい、ビジネスを継続することは不可能だ。
ここで云う能力とは、文章を書く能力と人と話す能力を指す。
生まれながらにして、人間は色んな能力を有している。早く走る能力、過去の出来事を記憶する能力、人に優しく接することのできる能力などなど。
起業にあたっては、お客さんや仕事に関係するあらゆる人と接するためのコミュニケーションの方法として、文章を書くことと、話しをすることに尽きる。
ネットでパソコンソフトを販売する場合、HPのデザインや構成に知恵をしぼるが、最後は見出しを含めた文章による商品の説明力がお客さんの購買のための意思決定の決め手となる。
コンビニ店舗の運営を行なうにしても、来店してくれるお客さんとのささやかでも心のこもったやり取りが、再度買い物に来店してくれるかどうかの重要なポイントとなる。そのうえ、お客さんとの会話の中にはマーケティングやライバル店情報を収集する重要なポイントになることも多い。
日頃から、文章や会話の能力を磨くことによって、他人の文章や会話に神経が行き届くようになる。
能力が向上した相乗効果として、会話を通してお客さんが何を求めているのか、文章に書かれた事柄の裏に何が起こっているのか、推測する力が次第に身についてくる。
すると、視覚や聴覚だけでなく、臭覚や触覚、味覚など自分に備わったあらゆる能力に神経を行き届かせることができるようになる。
優秀な経営者の共通点として、社会や業界の流れをいち早く読み取る感覚の鋭さがある。
一朝一夕にして彼らの高いレベルに達することは無理としても、起業を志す者として、会話や文章によって人に分かりやすく意思を伝えるとともに、人の意思も読み取る能力を身に着けることだ。
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