起業をする人の誰もが、若いときから起業を考えて生きてきたわけではない。例外的に学校を出てすぐ起業に走る人はいるが、ほとんどの人は、人生の夢を会社の将来から自分自身の将来に託すことで起業をしたり、勤めていた会社が不調になってやむなく起業をしたり、会社内の人間関係に疲れて起業に将来を託すなど、そのたどる道は各人各様である。
しかし、どのような形で起業をするにせよ、多大なエネルギーと時間とお金を費やす起業には、それなりに十分な準備期間が必要である。
模索期は、起業をしたい気持ちと止めておきたい気持ちが心の中で揺れている状態で、新聞やテレビに起業の言葉が出る度に強い関心が湧く時期。
この時期は、身近な出来事と起業とを結びつけて考える思考訓練を続けることが大切な時期だ。起業する仕事を自分自身で見つけることができるかどうかが起業の第一歩であり、一日の始めに当日の自分の課題を決め、一日の終わりには進捗状況をチェックして日々スキルアップを図ることが重要だ。
助走期は、起業を行う大枠が決まって、その細部を詰めていく時期。例えば、住宅関連で起業をしようと決めた場合、販売営業によって起業しようとするのか、建設工事にかかわる起業をするのか、購入者へのコンサルティングで起業するのか。販売なら、住宅本体か、建築部材か。
これらは、色々な切り口で細部を分けることができ、その細部をビジネスとして独立させることができる。この時期に、ビジネスのノウハウやスキルを身につけて自分なりの得意ジャンルを探すこと。
飛躍期はいよいよ具体的に開業する時期で、ビジネス環境のタイミングを図りながら自前ののれんを下げることになる。現在は、インターネットのWebサイトやブログを平行して開設させることができるため、のれんを下げたと云っても同時進行で店作りを行うことになる。また、この時期になってからもビジネス環境の悪化で、起業を断念する人もでてくる。
どちらにしろ起業をするには、入念な準備期間と慎重な意思決定が求められる。この準備期間が、人間としてもビジネスにとっても大切なステップアップの時期と云うことになる。
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