起業をして会社を大きくしている人の中には、これから起業する人にとって、とても参考になる人がいます。わたしは、そんな一人に日本駐車場開発の巽一久さんをあげます。学生時代から起業に夢中だった人で、会社の設立も23歳のとき、大阪において駐車場管理業務で起業しました。
あまり初期投資を必要としない起業です。地主さんやビルが所有する駐車場を、代わりに管理、運営する仕事です。ただ、このような仕事では、ほとんどアルバイト代程度しか収益は上がりません。売上げが伸び悩んだとき、思い立ったのがサブリースの導入です。
サブリースは、不動産ビジネスではよく知られた手法で、又貸し、転貸しのことです。不動産業界では、ビルの所有者から1フロアーを借りた業者が、それを区切って1室ごとに貸し出すように使います。巽さんは、地主さんから一括して駐車場を借り、それを分割して車所有者に貸しました。
東京に進出してからは、法人営業を始めます。このころになりますと、サブリースの手法も、月極め、1日貸し、時間貸しなど、駐車場周辺のお客さんのニーズに合わせて貸し出しました。この時期、待ちのビジネスばかりでなく、駐車場利用者を探すシーリング業務にも着手しています。
現在は、駐車場のサブリースから、駐車場を拠点に車のカーシェアリングの事業も始めています。巽さんのビジネス手法は、他の経営者とは逆の手を打つことです。スキー人気がなくなると、スキー場運営をはじめます。駐車管理が無人化になると、担当者を常駐されて管理します。
それでいて、24年7月期の売上高営業利益率は17.2%と、薄利の駐車場ビジネスとは思えない利益を上げています。このビジネスの仕組みを解明することで、今の時代に利益を上げる方法が判りそうな気がするほどです。多くの中堅企業経営者が、巽さんには注目しています。
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