転ばぬ先の起業講座
年齢を重ねて、真剣に人生と仕事を考えるための起業サイト
携帯からご覧の方は起業相談携帯用サイト

独立開業
『アイデア主婦が起業に走るとき』

男性と女性とを比較すると、起業に関しては圧倒的に男性の起業が多い。
それは男性が、社会変化や経済動向をヒントに顧客ニーズを探って起業に結びつけるケースが多いためだ。
このケースでは、時流に乗って大手企業まで育つ起業がある反面、掛け声倒れで上手くニーズに結び付けられなくて消えていく起業も圧倒的に多い。
一方、女性の起業は、生活のなかの自分の経験を基づいたものが多いため、時にはピントの外れた起業も見られるが、総体的にはアイデアの発想が素晴らしく、しっかりニーズを見据えた堅実な起業が多いのが特徴だ。


Fさん(40)は、結婚を機にそれまで勤めていた情報機器の販売会社を辞 め専業主婦になったが、子育てや家事の合間にアイデア商品の発明を趣味にしていた。
その頃のアイデア商品は育児用品がほとんどだが、指しゃぶりを止めさせる「指しゃぶりストップ手袋」、おしゃぶりを紐でつなぎ、それを耳から掛けて落ちないようにした「モーモーおしゃぶり」、文字を覚えるために神経衰弱を利用した知育玩具の「あいうえおトランプ」などがある。
ほとんどは、自分の子どものためのアイデアだったが、人から特許を取ることを勧められ、アイデアを特許のカタチにして、利益を生むことを知った。
彼女は、個人の発明を応援してくれる発明学会の存在を知り、そこに入会して通信教育で特許の仕組みを学んで特許申請を身に付けた。


東京で地下鉄を利用するとき、駅には「のりかえ便利マップ」が貼られている が、これはFさんのアイデアから誕生したマップである。
小さなお子さんを抱えて、アイデア作りに四苦八苦していた真夏のこと、ベビーカーに下のお子さんを乗せて、地下鉄ホームでエレベーターかエスカレーターがないか探しあぐねていた。
ホームの端から端まで歩いて、ベービーカーのお子さんも疲れてぐったりしだし、彼女自身も疲れきったとき「不便だと思ったら、そこにビジネスチャンスがあると思え」の発明学会で学んだ言葉を思い出した。
地下鉄に乗る前に、どこから乗ると最短距離で地上にでることができるか、あらかじめマップがあると、障害を持っている人やお年寄り、ベビーカーの持参の人にも役立つのではないかと考えた。
それから彼女は、東京メトロの256駅を全部一人で調べて「のりかえ便利マップ」を作成させた。


このマップが、能率手帳で採用されることで、Fさんのビジネスも急展開をみせる。当初は個人事業でマップのアイデアを売っていたが、手帳や地下鉄駅構内での表示が決まって、有限会社、株式会社へと事業組織を拡大していった。
今年に入ってからも、愛知県の依頼で愛知万博ナビを作成したり、携帯電話の有料サイト「駅と路線図・バス案内」をスタートさせ、韓国での情報提供も始めている。
現在、交通と地域を結びつけ、人をいかに目的地まで誘導していくか「マンナビゲーション」を企業コンセプトに新しいニーズの開拓に努めている。
最初は主婦の趣味の領域だったアイデアが、次第に大きくなって企業組織にまで拡がっていくところに、起業の醍醐味があるような気がする。


 <<インデックスに戻る

起業に最適な時期などありません
思いついたその時が、起業相談のタイミングです
起業相談はこちらをクリックしてください


「転ばぬ先の起業講座」30歳を過ぎて真剣に人生と仕事を考える時の起業サイトです。