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独立開業
『万引き退治が起業の種に』

今から5年前、Yさん(40)がスタートさせた起業は万引きバスターズだ。
学校を卒業して、大手電気メーカーに2年ほど勤めた後は、ベンチャーべジネスを始めるキッカケを掴むために広告代理店、音楽事務所、警備会社と転職を繰り返していたYさん。
その間、マネジメントやビジネスモデルのスキルアップに励み、ビジネスモデルコンテストでは入賞の常連になるほどだった。
そんな起業の試行錯誤の末に行き着いたのが、小売店の大敵である万引きを退治するためのコンサルタント会社の設立だ。
何故なら、一つには元警察官の父親が経営する警備会社を通じて、小売店には万引き対策のニーズが大きいことを肌で感じていた。
二つ目には、知れば知るほどこの国は万引き天国で、万引きバスターズは社会的な意義のあることに思えた。


2004年のわが国の万引き発覚件数は16万件。毎年増加の一途をだどり5年前との比較で1.5倍にもなっている。
しかも、発覚件数の裏には、想像できないほどの未発覚件数があるはずだ。
最も被害の大きい書店業界の推定では、毎年売上げ全体の1〜2%、利益換算では10〜20%が万引き被害で消えてなくなっていると云われる。
事実、街の書店の中には、余りの万引きの多さに、閉店に追い込まれる店舗も少なくない。特に、店内に警備員を置けない小規模以下の店舗が、万引きをする連中の餌食になってしまっているのだ。
コンビニやドラックストア、CDショップ、ディスカウント店、それに書店など、軒並み被害の多い業種である。


Yさんは2000年11月、4人のスタッフで会社を設立した。
この会社の特色は、株主にYさん以外、ベンチャーキャピタルや投資事業会社などが占めていること。事業の社会的意義や将来性を買っての事だまた、万引き防止コンサルティング料金に成功報酬制を導入していること。
防犯診断、業務診断、金銭管理などの調査を行ったのち、10ヶ月間のコンサルティング期間を設け、あらゆる視点からクライアントのロス改善を行う。
その上でコンサルティング期間終了後に、掛かった費用と改善額の割合から、成功報酬を算出する方式を採用している。
上手く改善額が費用を上回ると報酬を得ることができるが、改善額と費用とが同じなら報酬はなし、改善額が費用を下回るとその差額を返金する制度を採用している。


ビジネスとしては大変な賭けだが、Yさんはこれまで時間をかけて習得してきた、万引きをさせないためのノウハウを武器に体を張った事業展開を行なっている。
現在は、社員数も32人と増え、名うてのコンサルタント15人が万引き防止に全力をあげている。
これまでに指導した企業は、書店、カー用品量販店、ドラックストア、ホームセンター、レンタルCDショップなど50社約1000店舗に上る。
万引きバスターズの必要性は社会の要請であり、Yさんのようなビジネスへの熱心な取り組みによって、小売業も変わるかも知れない。
これまで、防犯ゲートやICチップなどの機器によってのみ防止しようとしてい た万引きを、心理戦で防止しようとする試みは夢があるし、人間的でもある。
これからが、期待されるビジネスだ。


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