転ばぬ先の起業講座
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独立開業
『前進し続ける幼児保育事業』

 兵庫県で4つの幼児教室と2つの保育園を経営するKさん(43)が、学校を出て最初に幼稚園で保育士をした経験は1年しかない。 彼女はその後、民間の会社勤めを経験し、結婚を期に一度は勤めを辞めたが、2児を出産して再び勤めを始めたときは、保育園のパートの保育士としてだった。 ただ、パートの仕事は彼女には物足りない点が多く、自分で幼児施設の運営を考えるようになった。起業のスタートは、幼稚園入園前の2歳児以上の子供を対象とした幼児教室だった。


 幼児が集団生活に馴染む訓練をしながら、数字や英語、リズムなど学ぶ教室を4つまで増やす。その間、商工会議所の女性起業塾に参加して経営ノウハウの基礎を学び、新たな起業チャンスを探っていた。通常、民間保育園や幼稚園の経営を行っているのは、自前の土地を利用できる宗教法人や学校法人が多く、保育士が経営するケースは極端に少ない。


 Kさんは、保育士経験が短く、会社勤めも経験したことで、双方から起業チャンスとビジネス感覚を身につけていた。Kさんにとって幼児教室は、主婦の片手間仕事の認識が強かった。 そこで彼女が目指したのは、保育園経営。ただ、幼児教室とは違って、初期投資に多額の資金がかかるし、行政の認可も必要になる。


 彼女は、個人事業だったこれまでの組織を株式会社にして、県の中小企業振興公社の投資制度を活用して資金を引き出すことを考えた。 この投資制度では、新規性のある事業に対して積極的に投資をしている。 だが、保育園の運営に新規性を求めるのは難しい。基本的に子供と保育士の人間的な関係だけで成り立っている世界。彼女は米国のビジネス社会で、子育て中の女性社員が会社内の保育施設に子供を預け、仕事の合間にインターネットカメラを通じて子供の様子が見るテレビシーンを覚えていた。


 そこでインターネットカメラ設置の保育園の開設を計画、公社から500万円の融資を引だした。公社融資がきっかけで銀行融資も可能になり、親族からの借り入れも合わせて開業資金1500万円を集めて開設にこぎ着けた。 だが、01年3月の開設時には、先生4人に園児がたった2人という苦労も経験している。翌年からは単年の黒字化に成功。


 04年10月には、インターネットカメラ設置に加えて、園児の所在をしっかり 確認するICタグシステムを導入した2つ目の保育園も開設した。 また保育だけでなく、インターネットアルバム、eコマース(通販)、eラーニン グ(文字遊び・パズルなど)を始めとする「コンテンツビジネス」の分野にも進出している。新たに進出した東京本部では、企業が行う社員用幼児保育施設の運営の手助けにも乗り出している。


 Kさんは徹底して、お母さんが安心して子供を預けることの出来る施設作りを目指している。そのために、県の中小企業振興公社の投資制度を手始めに、サイトの県新産業創造プログラム事業認定と中小企業創造法認定、2つ目の保育園がオープン経営革新支援法認定、会社の増資に向けてみなと元気ファンド投資企業認定と公的な支援を相次いで取り付け、保育施設に対する公的なチェックを意識的に設けている。


 母親の視点と保育士の視点、そして経営者の視点で運営される保育事業は、IT化が最も遅れていた世界で、どんどん前進を続けている。




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