進化を続けるインターネットビジネスの世界は、単純な物品のネット通販からスタートした。それが、興行チケットや航空券などサービス品の販売へと広がり、最近は家電製品や化粧品などの価格比較サイトが人気をよんでいる。
ネット通販の世界ではその後、百貨店や全国の名店が参入して量の拡大が続くと同時に、個人が売り出す手作り品や貴重品などにも高い支持がある。
一方、サービス系の販売では、これまでほとんどTT化とは無縁だった業種とネットビジネスとを結びつけるマッチングが盛んになっており、利用者の利便性を高めて人気を集めている。
Kさん(28)が03年にスタートさせたネットビジネスは、大空港周辺の民間
駐車場と車で空港に乗り着けたい旅行者を結びつける、ネットによる予約斡旋システム。
羽田や成田など空港は隣接した大駐車場を有しているが、その駐車料金は都心の駐車場並みに高く、多くの荷物を抱えた長期間旅行者には、この高い料金が悩みの種だ。
羽田空港の4泊5日の駐車料金は14000円。これが、周辺の民間駐車場では6000〜10000円で済むが、効果的なPRが行われておらず、情報が旅行客に知られることも少なかった。これまでは、一部の旅行会社が、口コミで顧客に知らせる程度であった。
Kさんは学校を出て会社勤めをしたあと、2000年に羽田の民間駐車場で一時アルバイトをしていたことがある。
このとき、駐車場のHP作りを頼まれた
のがきっかけで、駐車場のPRと予約斡旋システムの構築を思い立った。彼は、「民間駐車場のアルバイト」、「駐車場のHP作り」を通じて、旅行客と駐車場とのニーズを肌で感じた。
その後、結婚を機に広告会社勤めに転じたが、週末を利用してシステムの構築、駐車場との契約を行い、03年から事業をスタートさせた。
現在は、羽田、成田、関西国際、新千歳、名古屋、福岡、伊丹の7空港周辺の35駐車場と契約を結んでおり、HPの広告収入などと併せて年間売上げ約1300万円。
04年3月には確認有限会社(1円起業 )にして、スタップも5人体制で次の飛躍を図っている。
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