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独立開業
『大病がきっかけで異色カフェを開業』

仕事一筋にまっしぐらな人生を歩んできたAさん(52)さんが、否応なしに自分の周辺やこれまでの人生を振り返るようになったのは5年前、定期的に行っていた人間ドックの検査でガンが胃にできていることを知らされたときだった。
彼は、学校を卒業して損害保険会社に入社、営業所や支店など外交営業を一筋に北関東地区での営業幹部にまで上り詰めていた。
病院での入院、手術、リハビリを終えて退院までの日々、彼は自分の人生を3周するくらい色々なことを考えた。
当然、人生がここで終ったらとか、もしもう少し余命があるなら何がしたいかとか・・・。そして、無事退院した彼は、残りの人生を少しでも人を楽しませることのできる、好きなコトに費やそうと考えた。退院してまもなく、家族や同僚の猛反対を押しのけて会社を退社した。そして、それまでの人脈や伝手をあたって、自分の好きなコト探しとその具体化のための協力を募った。


仕事を趣味と公言してきた彼にとって、好きなコト探しは難航を極めたが、唯一心地のよいレストランでの食事好きを手がかりに、当初はレストランの開店を考えてみた。ただ、レストランとなると調理人の色がどうしても濃くなるため、そこで心地よい空間作りに専念することにした。
彼が3年前に北関東の県庁所在地周辺に開店した店は、周囲を林に囲まれた瀟洒なカフェで、パリのブーローニュの森にあるカフェをイメージさせる。
女性に知的な憩いの場の提供をテーマに、昼はライブラリーを利用できるカフェとカルチャー教室として使用、夜はカフェバーやパーティー会場にに変身する。そしてイベントスペースでは、人形展、イラスト展、陶芸展、日本画展、絵手紙展など、地域の代表的な作家による個展が絶えず開かれている。


Aさんはこの起業によって、会社勤めの頃との比べて年収が約十分の一近くにに減少している。仕事の苦労も、会社時代とは比べ物にならないくらい大変な毎日だが、そのやりがいや満足感は比べられないほど充実した日を送っている。病気再発の心配も遠のき、連日フル活動の日々が続いている。
開業にあたっては、当初資金が6000万円。うち、自己資金が3000万円で残りの3000万円を金融機関からの借り入れでまかなった。現在は、店の資産を増やしている段階で、口コミや噂を通じて顧客作りが着実に進んでいる。


ポイント
○ やはりガンを告知されて、一度腹を括った人間は腹の据わり方が違う。これから起業を考える人にとっても、自分で自分にどのような動機付けをするか、大切なテーマである。
○ 女性客を対象にした飲食店は、滞在時間が長い割りに個客単価が低いので、経営不振に陥るところが多いというのが長いこと定説になっていた。ただそれは、大都市圏の地価の高い立地にある飲食店の定説で、地方都市では女性客を抜きにした飲食店は成り立たない。経済の低成長期のこの時期に、徹底的に女性客を対象にした男性オーナーの店と云うところが興味深い。


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